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農業思想と自由経済の狭間で

農業思想という言葉がある。
今日、読んでいた雑誌で山下惣一氏の考え方をこう表現していた。
すなわち、「農家は作っているときは楽しいが売るときが悲しい」、「それならば売らなければ幸せではないか」ということで、農家以外の人もみんな自給する「皆農」をうたっている。

個人的には大変興味深く、共感できる。
料理するという行為は家事の一部になっているが、食料を作る行為も家事の一部と見なせるようになれば(昔はそうだったのかも知れない)、食糧自給率の問題、不耕作農地の問題もある程度緩和されるに違いない。

問題は、食料を作ることが家事になって、経済的に暮らしていける社会が無いことである。

自給のための食糧生産は貨幣価値を生まず、現在のマネー社会では生活しづらい。
もちろん、定年退職した年金生活の方が食糧自給に踏み出すことは大変有意義であり、この国の農地を維持するために大きな意味を持つ。

農業分野に関わってきて思うことは、経済原理を導入したくないということだ。
経済原理で動かし難い問題が多々ある。
それは自然が相手であり、工業のようにマニュアル化もできない、大変リスキーな代物だからだ。

そして、そもそも農業という自然相手の仕事と、物々交換や加工、サービスといったもので貨幣を好感するという発想が異なる。

江戸時代の日本は良く考えた。
士農工商はこの経済を中心としない発想に基づいていたのではないだろうか。

時はグローバル経済。
食糧自給率40%未満で鎖国もままならない日本において、何をするか。
一人一人がしっかり意識を持って考え、行動する必要がある。
お上に任せていてはまかないきれない所まで来ているのは随分前から見えていた。

我々がするべき事は、考える余裕、行動する余裕ができる社会構造を作り上げていくことだと思う。
自由経済は良いが、自由経済に左右されない強さを持つために。
by ape-deluxe | 2007-08-27 21:57 | 意見あり!

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