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キャリアの捉え方

先週はキャリアについて目の覚めるような体験が2回あった。

ひとつは雑誌「Think!2008春号]の記事の中。
KPMGビジネスアシュアランスのシニアマネージャー天野雄介氏のキャリア形成論。
自己の年代ごとにPDCAの具体的内容を作成し、しっかりまわしていく。
そして、会社、自己研鑽・社外活動等の二つの分類で何をするか明確にしてある。
20代前半でのビジネス基礎形成からプロフェッショナル基礎形成、プロフェッショナル発展期、そして独り立ちまで、段階を年代で示し、その間の目標が達成されているかを各段階の環境に合わせてチェックしている。
具体的には、初期は上司がチェック機能になるが、プロフェッショナル期には自分のアウトプットに対する自分を含めた評価者がチェック機能になる。
自分自身としっかり対話し、何が必要か理解した戦略的行動計画に感銘を受けたわけだ。

もうひとつはとある方がバラの研究で定年退職後に論文博士をとったこと。
研究期間は20数年に及び、その間、数多くの生産者、研究者と実験、議論してきた。
その集大成が退職後数年たって論文となり、博士号を取得された。
この記念講演に集まってきた生産者、研究機関の方々は、自分達の協力した試験等も振り返りながら、最後には盛大な拍手を送っていた。
博士号をとるには大学院で6年くらいかかるが、この論文博士は実質25年ほど研究してきたわけで、まさに博士号にふさわしいものではないだろうか。
そして、その成果を分かち合える人が周りにいること。
これがこの方のキャリアになっていると思う。

これら二人のキャリアは、アプローチがまったく違う。
一人目は基本的には自分を見つめ、その後社会に目が向いてきた。
二人目は自己よりも周りのために研究を続けてきた。
最終的には二人とも社会に還元されていくという、仕事としての到達点は同じだ。

そこで、自己のキャリアを振り返る。
スタートは二人目の方と同じスタンスだ。
でも、時代背景の変化が著しい昨今、一人目の方のキャリア構築手法はなくてはならないものだ。
能動性、自主性がなければすべて安い労働力に取って代わられる可能性が高い中、自己の確立は今まで以上に社会で重要になるだろう。

短期と長期、両方の視点でPDCAサイクルをまわしていくには、「これだ!」というモチベーションが必要だ。
前述の「Think!」で。早稲田大学ビジネススクール教授でローランド・ベルガー会長の遠藤功氏が「主観」の大切さを語っている。
主観は理論的な説明はしにくいものの、動機付けとしては大変強いものであり、その主観を3つに分類している。
すなわち「本能的主観」、「論理的主観」、「内存的主観」である。
詳細は雑誌を見ていただき、ここでは「内存的主観」=「腹の虫」という表現を紹介する。
この「腹の虫」は同名の本が中央公論から出ており、著者は画家の中川一政氏。
腹の虫がでてくると、その虫が思うままに行動するとのことだ。
これがいわゆるモチベーション自体になるのだろう。
直感的で、説明が難しいが、自分の使命と思うようなこと。
それが行動の源泉になる。

そうすると、理論的に何をしたいか考えるよりも、さまざまな環境に身をおき、そこで感じたことが腹の虫に呼応するかどうかがキャリア形成の最たるものかもしれない。
同じ環境で同じことをしていれば、キャリアも広がらないない。
そして、頭を使うべきは腹の虫の思いを実現するための戦略を考えるときだ。
机上の空論よりも現場力とは、これに近い発想だと思う。
まずは自分の環境からどれだけ刺激を取り入れられるかだ。
そこで教養が多くの刺激を感じるセンサーとなる。

急激にキャリアがアップしないのはここにポイントがあり、教養や経験の大切さを実感する。
差がでるのは、能動的に教養を深めたり経験を増やすことができるかどうかだ。
忙しい職場では受動的でも多くの刺激がある。
しかし、最終的には自己の感度、意識によるだろうから、能動的にさまざまな環境に足を踏み入れていきたい。

ちょっと長くなったが、休日も平日も、この意識で過ごすと毎日が面白い。
by ape-deluxe | 2008-05-18 14:24 | GooD!

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